タイの詐欺被害、60歳以上が金額の28.55%を占める
タイ警察のサイバー犯罪捜査本部は2026年9月2日、退職を迎える世代を狙う詐欺グループについて注意を呼びかけました。高齢者、公務員、国営企業職員、そしてこの9月に退職する人が対象で、まとまった退職一時金や年金、働いてきた期間の蓄えを受け取る層ほど警戒を強めるよう求めています。
オンライン通報の集計では、2026年1月1日から8月31日までの8か月間に、全年代から約22万1,626件の通報があり、被害総額は110億3,900万バーツを超えました。
件数は8%、金額は28%
このうち60歳以上の通報は1万7,895件で、件数では全体の約8.07%です。一方で被害額は約31億5,207万5,191バーツに上り、全体の28.55%を占めました。件数はおよそ100件のうち8件ですが、失われた金額は10バーツのうち3バーツ近くにあたります。
被害額が大きい4つの手口
1. パソコンを使った投資詐欺 最初から大金を求めず、「お試し」で投資口座を開かせるところから始まります。コーチや講師、助手を名乗る人物、他の参加者が利益を見せるLINEグループ、投資残高を表示する画面やウェブサイトを用意して信じ込ませます。
2. 電話で恐怖をあおって送金させる詐欺 警察、郵便局、携帯電話会社、銀行、政府機関を名乗り、「違法な荷物がある」「あなたの口座が資金洗浄に使われている」「あなたの名前でSIMが契約されている」「逮捕状が出ている」など、その場で確かめられない話を持ち出します。電話を切らせず、家族に相談させないまま、「資金の確認」「身の潔白の証明」として送金させます。
3. 副業詐欺 「いいね」を押す、商品をレビューする、注文を受けるといった簡単な作業から始まり、最初は実際に報酬が支払われます。その後、作業の金額が上がり、出金するには先に自分で入金する必要があるという流れになります。被害者は「詐欺師に送金している」ではなく「自分のお金を取り戻すために作業を終わらせている」と感じてしまいます。
4. 賞金や還付金を口実にした送金詐欺 給付金、電気・水道メーターの返金、保険金、賞金、年金の受給権といった名目で、政府機関を装って接触します。
自衛の目安
知らない相手が警察・マネーロンダリング対策事務局・銀行・郵便局・携帯電話会社・政府機関を名乗って連絡してきて、名義貸し口座や資金洗浄、麻薬、違法な荷物、逮捕状、SIMの不正契約に関与していると告げ、LINEの追加やビデオ通話、身の潔白を証明するための送金を求めてきた場合、警察は次のように呼びかけています。
- 応じずに、すぐ電話を切る
- 家族や身近な人に連絡して、一緒に確認してもらう
- 相手が伝えてきた番号にかけ直さず、その機関の番号を自分で調べ直す
警察が高齢者に覚えてほしいと挙げた一文は「警察が資金を調べることはあっても、警察が市民に送金させて調べることはない」です。