タイ財務省、洪水支援策を発表 住宅修繕融資・所得控除・申告期限延長
タイ財務省は2026年10月20日、洪水被災者向けに返済負担の軽減、住宅修繕や事業再建の融資、所得控除、税の申告期限延長を組み合わせた支援策を発表しました。財務省の公式発表第109/2569号と、Thai PBS、カオソードによると、政府系金融機関が被害や利用目的に応じて支援します。
住宅修繕と車の修理費を所得控除
対象は、行政が災害地域または緊急支援地域に指定した場所で、2026年5月15日〜12月31日の洪水により財産に損害を受けた個人です。同期間に実際に支払った費用を、個人所得税の所得控除に使う制度としています。
| 項目 | 控除の上限 | 公式発表の主な条件 |
|---|---|---|
| 住宅・コンドミニアムなどの修繕、清掃、関連資材費 | 100,000バーツ | 所有者、借主、利用者。建物等に設置された財産を含む |
| 自動車・オートバイの修理、関連部品・資材費 | 30,000バーツ | 所有者または割賦購入契約者 |
複数の住宅や車両が被害を受けても、それぞれの区分の上限内で費用を合算します。税額から同額を差し引く制度ではなく、所得から控除する措置です。手続きや条件は歳入局長の定めに従います。
対象地域の申告・納付期限を12月30日へ延長
| 所管・手続き | 対象となる期限 | 延長後の期限 |
|---|---|---|
| 歳入局の対象税目の申告・納付など | 2026年9月1日〜12月29日 | 2026年12月30日 |
| 物品税局の対象事業者の申告・納付・月次報告 | 2026年9〜10月 | 2026年11月15日 |
| 対象の酒類・たばこ等の許可更新申請 | 許可の満了が2026年9月1日〜10月31日 | 2026年11月15日 |
歳入局の延長は、9月1日〜12月29日に災害地域等として指定された地域のうち、同局が定める対象地域の納税者などに適用されます。個人所得税、法人所得税、源泉徴収税、付加価値税、特定事業税、現金納付方式の印紙税が対象で、特定事業税のうち営利目的の不動産売却は除かれます。紙とオンラインの申告が含まれます。
物品税の延長は被災地域の対象事業者向けです。税の種類や地域にかかわらず、すべての申告期限が延びるわけではありません。
住宅修繕融資は金利0〜1.99%から、既存債務の返済猶予も
| 支援 | 公式発表本文に示された概要 |
|---|---|
| 既存債務の負担軽減 | 元金・利息の返済猶予、金利引き下げ、返済期間延長を個別に検討。事業者向けには6か月の支援を説明 |
| 住宅修繕・復旧融資 | 政府貯蓄銀行(GSB)、政府住宅銀行(GH Bank)、タイ・イスラム銀行。1件当たり最大200万バーツ、開始時の年利0〜1.99%、期間最長40年という制度全体の範囲を説明 |
| GSBの緊急資金融資 | 1件当たり最大50,000バーツ、最初の3か月は年利0% |
| 事業者の運転資金融資 | GSB、タイ・イスラム銀行、SME D Bank。1件当たり最大500万バーツ、開始時の年利0〜3.25%、期間最長7年 |
金利・上限・期間は金融機関と商品によって異なります。上表の住宅修繕融資は複数商品の概要で、すべての銀行が「200万バーツ・0%・40年」の組み合わせで融資するという内容ではありません。発表は被災者に各金融機関へ相談するよう案内しています。日本国籍の借り手や個別の住宅ローンが対象になるかは、今回の資料では明示されていません。
事業再建のソフトローンは総枠300億バーツ
GSBは金融機関を通じて被災中小企業へ融資する枠として、30,000百万バーツ(300億バーツ)を用意します。運転資金、必要経費、事業所や財産の修復などに使う制度です。
| 項目 | ソフトローンの条件 |
|---|---|
| 1事業者の上限 | 全金融機関の合計で3,000万バーツ |
| 期間 | 最長5年 |
| 最初の2年間の金利 | 年3.50%以下 |
| 3〜5年目の金利 | 年5%以下 |
このほか、条件を満たす被災地域の工場・ホテル等が、損傷した機械の交換・修理用に新品の機械や部品を輸入する場合、2027年3月31日まで輸入関税を免除する措置も示しました。対象は関税分類第84類の機械等で、被災証明や対象事業での使用などの条件があります。