タイのゴルフ、日本と違うところ

タイでゴルフをすると、日本との違いに次々と出くわします。キャディが必ず付いてくる。カートは自分で運転しない。短パンで回れる。そして最後に、払うと思っていなかったお金を払うことになります。
ゴルフのルール自体は日本と同じです。違うのは、その周りにある決まりごとと習慣のほう。覚えるのは「日本と違うところ」だけで足ります。
ここでは、初めてタイのコースに出る前に知っておきたいことをまとめました。
キャディフィーとチップは別のお金
これが最初に覚えることです。
- キャディフィー — ゴルフ場に払う料金。グリーンフィーやカート代と一緒に精算する
- チップ — キャディ本人に、ラウンド後に現金で直接手渡す
チップは料金に含まれていません。 「キャディ代は払ったからもう終わり」と帰ってしまうと、キャディは手ぶらで戻ることになります。
しかも金額を並べると、逆転していることが分かります。
| ゴルフ場に払うキャディフィー | キャディ本人に渡すチップ |
|---|---|
| 400〜600バーツ | 500〜1,000バーツ |
チップのほうが高い。 タイのキャディはゴルフ場の従業員というより、チップで生計を立てる個人事業主に近い働き方をしています。ここが日本のキャディとの一番大きな違いです。
チップはいくら渡すか
目安はこうです。
- 指名なし — 500バーツ
- 指名あり — 1,000バーツ
安いコースなら指名なし400バーツでも通りますが、500バーツを基準にしておけば、どのコースでも失礼になりません。名門コースやリゾート系のコースは、ゴルフ場側が「500バーツ以上」と案内していることもあります。
なぜ指名すると倍になるのか
「指名したから多めに」という気持ちの問題ではありません。キャディの1日の働き方が変わるからです。
指名がなければ、キャディは1日に2ラウンド入れます。午前に1組、午後にもう1組。ところが指名されると、そのキャディはあなたの組に押さえられるので、その日はその1ラウンドしか働けません。
数字にすると、きれいに揃います。
- 指名なし 500バーツ × 2ラウンド = 1,000バーツ
- 指名あり 1,000バーツ × 1ラウンド = 1,000バーツ
つまり1,000バーツは気前のよさではなく、指名によって失われるもう1ラウンド分を埋める額です。この仕組みを知っていると、金額で迷うことがなくなります。
なお、指名料はチップとは別にゴルフ場へ払います。 金額はコースによって違い、数百バーツ程度です。つまり指名すると、指名料とチップの両方が上乗せされることになります。
そもそも何のために指名するのか、という話は後述します。
渡すタイミングは向こうが教えてくれる
ラウンドが終わると、キャディがカードを渡してきます。 これはキャディの評価カードです。
このカードを渡された時が、チップのタイミングです。 クラブを拭いてバッグを車に積み終え、最後に別れるところ。迷わなくていいように、向こうから合図が来ると思っておけば大丈夫です。
現金で直接手渡します。カートの上に置いたり、フロントに預けたりはしません。
お釣りが出ないように、100バーツ札を多めに持っていきます。 1,000バーツ札しかなくて崩せない、という状況が実際によく起きます。
評価カードは、一番良い箱に入れる
受け取ったカードは、評価ボックスに入れます。
感想を書く欄はありません。 「Excellent」などと書かれた箱がいくつか並んでいて、その中の1つにカードを入れるだけです。だいたい4〜5段階に分かれています。方式はコースによって違うこともあります。
ここで覚えておきたいのは、よほど大きな問題がない限り、一番良い箱に入れるということ。
日本の感覚だと「普通に良かったから真ん中の少し上」と考えてしまいますが、この評価はキャディの仕事に直結します。 最上位以外はマイナス評価として扱われるので、日本式の慎重な採点は、悪気なくキャディの不利益になります。
不満がなかったのなら、迷わず一番良い箱です。
キャディは基本的に必ず付く
ほとんどのコースでは、キャディなしでプレーできません。 自分でバッグを担ぐことも認められていません。プレーヤー1人につきキャディ1人が付きます。
例外はあります。タイ人に限ってキャディなしを認めているコースもありますが、外国人が同じ扱いを受けられるとは考えないほうがいいです。
やってくれることは日本のキャディよりかなり広く、
- クラブを渡す、拭く
- ボールを探す、拾う、マークする
- グリーンのラインを読む
- 番手を提案する
- バンカーをならす
- 傘をさす、飲み物を持つ
慣れないコースでは、キャディの読みに従ったほうがスコアはまとまります。 毎日そのコースを回っている人の情報なので、初見の自分の判断より確実です。
カートはキャディが運転します。 保険の都合で、プレーヤーは基本的に運転しません。
プリティキャディは、指名しないと付きません
コースによっては、若い女性のキャディを揃えています。プリティキャディと呼ばれるものです。
ここで大事なのは、予約なしでプリティキャディが付く可能性はほぼないということ。予約せずに行けば、その日の手空きのキャディが順番に割り当てられます。男性キャディが付くこともあります。
希望があるなら、予約のときに伝えます。 「若い」「細い」「かわいい」「日本人に人気の子」といった具体的な言い方で構いません。初めてのコースでも、伝えておけば用意してくれます。
好みを伝えた時点で「指名」になります。 つまりチップは1,000バーツ。前の章で書いたとおり、そのキャディはあなたのために1日押さえられるためです。
売店では、キャディにも聞いてあげる
コースには3〜4ホールごとに売店があります。自分の飲み物を買うとき、キャディにも「何か欲しいものある?」と聞いてあげると喜ばれます。
飲み物やお菓子で20〜30バーツ程度。義務ではありませんが、炎天下を一緒に歩いてくれている相手なので、これだけでラウンドの空気がずいぶん変わります。
服装 — 襟付きは要る、短パンはOK
ネットには「タイはドレスコードが無い」と書かれていることがありますが、まともなコースでは通用しません。
必要なもの
- 襟付きシャツ(ポロシャツ)
- ソフトスパイク
断られるもの
- デニム(ジーンズ・デニムの短パン)
- カーゴパンツ
- ビーチサンダル
- 襟なしのTシャツ
一方で、短パンは問題ありません。 ここは日本と違うところで、暑いタイではむしろ短パンが普通です。
色は黒系を避けると楽です。日差しで生地が熱を持ちますし、黒は虫が寄ってきます。
料金の全体像
タイのゴルフ料金は、グリーンフィー + キャディフィー + カート代の3つでできています。ゴルフ場が「3,500バーツ」と出している金額は、たいていこの3つの合計です。
平日と土日祝で料金が変わり、差は500〜1,000バーツほど。これにチップが別途500〜1,000バーツ乗ります。
予約と当日の流れ
ハンディキャップ証明も会員証も要りません。 誰でも予約して回れます。
予約は電話が基本ですが、LINEのチャットだけで完結するコースも多くあります。 タイ語での電話を避けたい場合は、LINEで予約できるかどうかがコース選びの基準になります。
当日はティーオフの30分前には着いておきます。チェックイン、キャディの割り当て、カートの手配、精算があるためです。
18ホールはスループレー(途中の昼休憩なし)で、4時間半〜5時間半かかります。日本より長めです。5人組・6人組も普通にいて、前の組を追い越す習慣もないので、急かしても進みません。
季節と時間帯
雨季は5月から10月。 ただし一日中降るわけではなく、午前中は晴れていて、午後1時〜3時ごろから雷雨になるパターンがほとんどです。
つまり朝6時か7時にスタートすれば、雨季でもほぼ濡れずに18ホール回れます。 暑さを避ける意味でも早朝スタートが正解です。
11月から2月が最も過ごしやすい時期です。
現金を用意していく
チップも売店も現金です。キャッシュレスが進んでいるタイでも、キャディへのチップだけは現金が確実。
- チップ用に100バーツ札を数枚
- 売店用に20バーツ札を何枚か
これだけ用意しておけば、当日困りません。
覚えておくと喜ばれるタイ語
キャディとの会話はタイのゴルフの楽しみの一つです。ひと言でも通じると距離が縮まります。
| 日本語 | タイ語 | 読み |
|---|---|---|
| ありがとう | ขอบคุณ | コープクン(クラップ / カー) |
| 何ヤード? | กี่ยาร์ด | ギーヤード |
| ボールはどこ? | ลูกอยู่ไหน | ルーク ユー ナイ |
| 右 | ขวา | クワー |
| 左 | ซ้าย | サーイ |
| まっすぐ | ตรง | トロン |
| 上り | ขึ้น | クン |
| 下り | ลง | ロン |
グリーン、バンカー、フェアウェイといったゴルフ用語は英語のまま通じます。
男性は語尾に「クラップ」、女性は「カー」を付けると丁寧になります。